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CP+2019

ブログの前記事が昨年のCP+って、どんだけかいてないねん!
ということで2019年のCP+いってみましょう。

CP+2019では各社とも新製品の展示ブースを拡張して、さほど並ばずに新製品に触れるようにしているのが大きな特徴です。そのあおりで技術的な資料の展示ブースが隅に追いやられ、筆者としては少々物足りなさもありました。ただ最低限の情報は得られたのでまずまずのCP+でした。

今回の目玉と思っていたのはやはりニコンのNoct 58mm F0.95、実写可能機ががようやく展示されていましたが筆者の興味はカットモデルの方。

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レンズがぎっしり詰まっていますね。惚れ惚れするほど美しいかたちです。鏡筒はオール金属なんですね。以前から公開されていたスケルトン図では、後部が空洞のように見えていましたが、実際には補正レンズ系が所狭しとと詰められています。前から4枚目までは多分全体として負の構成のレトロフォーカスタイプ。5枚目から12枚目までのダブルガウス型は初代のNoct nikkor 58mm F1.2を彷彿とさせますね。そして、12枚目の凸レンズと合わせガラスになっている13枚目の凹レンズ以降は補正レンズ系という構成に見えますね。また内部に空間がほとんどないのでインナーフォーカス式ではないと見える。後ろから4枚はマウント部分に固定されているように見えます。なので前から13枚目まで全体が前方に繰り出す前群繰り出し式か、よく見ると絞りから前部分が一体で、絞りから13枚目までが一体なので、ここは分割して動くのかもしれませんね。いずれれにしてもこの構造だとフォーカスが重すぎてAFレンズにできなかったというのも納得ですね。

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こうしてみると同じようにカットしてあってもレンズによって随分断面の色が違います。大きいけれど、とてつも無い魅力にあふれたレンズですね。

 

続いてキヤノンのブースにお伺いすると広報の新野さんとばったり。今年の一押しはEOS R、RPの両機で、これをセンターに据えた展開。交換レンズも第2弾が発表になりました。でも展示機をみるのはこれが初めてです。

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中段の6本が第二弾のレンズ群です。

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70-200mm F2.8はだいぶ短くなっていますね。先にF4モデルが欲しいという声もありますが、プロユース優先ということでしょうか。隣は15-35mm F2.8。大三元の広角ズーム。初のISが入ったからかこちらはそれほど小型軽量化されていません。

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大三元の中核、24-70mm F2.8。15-35mmとほぼ同じサイズでまとまっている。こちらも初めてIS機能が付きましたが、世の流れはボディ内手ぶれ補正の方向なので遅きに失した感があります。これをみると、キヤノンはボディ内手ぶれ補正はやらない方向でEOS Rシステムの開発をしていたことが明確ですね。でも将来、ボディ内とレンズ式が融合して補正効果8段とか10段とかの世界を実現できたら逆転につながるかもしれません。

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定番の85mm f1.2。AFの速度がどれくらいになっているか楽しみです。サイズ感からするとあまり変わっていないような感じもしますがどうなんでしょうか?右はDS(Deforcus Smoothing)タイプ。要はアポダイゼーションフィルターを入れて柔らかいボケのレンズになっているということです。ということはノーマルタイプの方はかなりシャープなレンズになっているのかもしれません。以前設計の早川さんにだめもとでアポダイゼーションフィルターの入ったレンズが欲しいといったことがあるのですが、キヤノンはやらないと思っていたので意外でした。

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人気が出そうな高倍率ズーム。これ一本で全部まかなえるというレンズ。こうなるとレンズメーカー製レンズに似てくるのがふしぎですね。

キヤノンの隣に大きな展示スペースを構えていたのが富士の展示ブース。ここで目立ったのはやはり1億画素モデルのGFX100でした。

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古くからテレビカメラ用レンズやシネレンズで有名ですが、やはりシネレンズもかっこいい。

フィルムの展示はなかったけれど銀塩写真という意味では唯一チェキの最新モデル「instax SQ20」が展示されていました。

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このカメラ、実は基本はデジカメであって、背面液晶で画面の確認ができて、インスタントフィルムに印刷するという実にユニークなハイブリッドカメラです。

こちらは従来型のアナログ式 instax。ところでインスタックスという名前、コダックのインスタマチックを思い出しますね。古---い。

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富士の次にふらっと立ち寄ったのがZeissのブース。以前はコシナさんと一緒だったと記憶していますが去年から別々の展示になったそう。

ドイツ人のセンスでフルサイズ・レンズ一体型カメラを作るとこうなるという製品。ドイツでは1950年代から60年台くらいにかけてVoigtlanderとかAgfaなんかがプロンターやコンパーのシャッターがついたレンズ固定式のコンパクト機をたくさん作っていて、これが幅130mm、高さ100mmくらいある。なのでドイツ人のコンパクトというのはこのカメラくらいのサイズなのだとあらためて感じます。日本人的にはSONYのRX1シリーズくらいのサイズがいいんですけどね。でもデザインがotusシリーズとかと共通していて一貫性があります。上面はシャッターダイヤルと感度ダイヤルとシャッターボタンのみ。あとは絞りリングだけでいいという構成。

 

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背面は液晶モニターのみ。タッチ操作前提なのでしょう。モニターの右端がボディのラインに合わせて曲がってます。

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こちらはコシナのブースで見かけたNOKTON 75mm F1.5。この焦点距離で明るいレンズは珍しいのでいいですね。

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続いて巨大なカメラ用品の総合商社と化しているケンコーさんのブース。まず目についたのは同社独自開発は初というストロボから。

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このストロボ。一見普通のストロボですが、バウンス機構がロボットみたいに自動で動いてバウンスの首振りの向きを調整してくれるんです。例えば、縦位置と横位置でカメラの向きを変える時、バウンスの向きを入れ替えるのは結構面倒ですが、このストロボだと自動でやってくれます。このほかにも電波シンクロも可能で、最新の機能はすべて備えています。値段はちょっと高めだけれどもなかなかユニークな製品。

続いて見えてきたのは、星夜写真のカブリを低減する光害カットフィルターの新製品。光害の原因となる特定の波長の光を吸収することで光害を低減するという仕組み。通常は撮影後にトーンカーブ調整などでカブリを押さえるのですが、このフィルターがあればその操作も楽になりますね。スターリーナイトなんてちょっとメルヘンなネーミングもいいですね。

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その横には、ワンタッチ着脱式のフィルターもお目見えしてました。昨年マンフロットのマグネットタイプを紹介しましたが、こちらはマグネットタイプでは脱落するシーンがあるということで、バヨネットタイプを採用しています。現状では指標がなく、取り付けがちょっとやりにくい感じでしたが、自分で指標をつけるなどすればなんとかなりそう。マグネットタイプは磁気の悪影響も心配なのでこちらの方が安心かもしれません。ただ、フィルター側のバヨネットの枠は後付け不可で専用のバヨネット式フィルターを新たに購入する必要があります。取り付け枠単体の販売はなくC-PLとND16のバヨネットフィルター2種と取り付けバヨネット枠のセットで平均4万円台と初期導入価格が結構します。基本セットを購入すれば、あとはバヨネットフィルター各種1万円台と通常のフィルターよりちょっと高めくらいで購入可能です。

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それからケンコーさんが販売元になっている韓国のサムヤン。元インプレスの斎藤さんがアドバイザーをやっていました。今回の目玉は、早くもキヤノンのRFマウントに対応してきたところ。MFレンズですが対応の早さに驚かされます。

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RFレンズの2本はサムヤンの売れ筋でもある14mm F2.8と85mmf1.4の2本。14mmは49,700円、85mmは39,700円と格安なのが魅力ですね。レンズと銘板が入れ替わってますね。

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それと新製品の10mm f3.5。大きく湾曲した前玉が印象的。こちらは少々値が張って133,700円。端数が700円なのは謎。他に一眼レフ用では35mm f1.2というあまり聞いたことがないすごいスペックのレンズもありました。ちなみにお値段は126,900円

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ケンコーブースのしんがりはホースマン。L字アームのところに懐かしのホースマンのマークがはいいってます。アームはちょっと華奢な気もしますが、全体の重量のバランスを考えてこうなっているのでしょうね。筆者もホースマンのカメラを持っていますが、重いのでこれくらいがいいです。アオリは±30mm、後枠は左右の微動、前枠はフォカスの微動が可能になっているそうです。

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次に立ち寄ったのはシグマさんのブース。今年は28mm f1.4くらいしか新製品がなかったので、ライカ・パナソニックとのLマウントアライアンスを前面に打ち出した展開でした。ということで恒例の新製品を持つ桑山さんのポートレートはなし。

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タムロンさんにも立ち寄りました。広報の青木さんをお見かけしましたが熱心にお客さんに説明されていたのでお声をお掛けできませんでした。今年のタムロンは新製品が目白押しです。こちらは一眼レフ用の35mm f1.4のレンズ。タムロンのお家芸的レンズと言えば高倍率ズームであって、これまで単焦点レンズは有名な90mmマクロなどマクロレンズが中心で、単焦点レンズはあまりリリースしてこなかったところがありましたが、新SPシリーズの立ち上げと同時に35mm F1.8、45mm F1.8の2本をリリースしてその後85mm F1.8もリリースしています。そこへ今回の35mm F1.4のリリースとはどういう意味か?一瞬理解に苦しみましたが、タムロンさんはたぶんシグマさんのように単焦点レンズのフルラインナップは考えておらず、35mm,45mm,85mmの3本で完成なのだと思います。で、1.8シリーズが出揃ったので次なる段階として、F1.4シリーズを展開する。そう考えれば今回の35mm F1.4は納得できます。次はおそらく45mm。そしていずれ85mmも出るのだと思います。VC(手ぶれ補正)は入っていませんが、これは画質優先なのだと思います。大いに期待できるレンズですね。

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次はフルサイズミラーレス機用大三元の広角側。17-28mmとあえて無理のないズーム比で画質重視できた。このクラスのレンズとしては小型軽量で、これも描写性が楽しみなレンズです。

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こちらはメーカーではポートレートズームと命名している高倍率ズーム。ポートレートでよく使う焦点域を網羅しているのでこの名称があるのでしょう。広角端はF2.8、望遠端でもF4なので大きなボケ効果も期待できます。ポートレート撮影の時、レンズ選びが結構難しいんですよね。とりあえず標準ズームと望遠ズーム、それと明るめの中望遠レンズなんて考えているうちにどんどん機材が増えてしまう。しかしこのレンズがあればこのレンズ一本で勝負するもよし、これに明るい単焦点レンズ一本追加すればそれで十分という気がします。なかなか他のメーカーにない目の付け所ですね。

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次はトミーテックさんのブースで見かけた望遠レンズ。狙撃銃型。結構こういうアイデアは昔からありますが、戦場に持って行くと真っ先にに攻撃されそう。

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次に珍しいレンズメーカーとしては「Irix」というメーカーの展示がありました。聞けばスイス発のレンズメーカーだそうですが、レンズにはMade in Koreaの文字が。多分あのメーカーのOEM品?沿革を見ると2016年に15mmの販売開始、その後2017年に11mm、2018年に150mmマクロとまだラインナップ3本の産声をあげたばかりのメーカーです。

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こちらが15mm。

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こちらは11mm。

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いずれも左側が金属鏡筒の高級モデルで、右側がプラスチック鏡筒の廉価モデルだそうです。ピントリングの前方側に細いリングが見えますが、これを左に回すとピントリングがロックされます。デザインはコシナやニコンに似ていますが独自性もあっておもしろいと思います。お値段は15mmの金属モデルが8万円代後半、プラスチックモデルで6万円代後半くらいのようです。11mmは15mmより少し高め、150mmマクロはちょっと高くて12万円代くらいになるようです。ジナーのお膝元スイス製なら飛びつくところですが、お値段は飛び上がるくらい(10倍?)になると思うので、まあこんなものかと。ちょっと試写した感じでは、韓国のあのメーカーのものとさほど変わらないような・・・。

 

最後にマウントアダプター類をいくつか。こちらはKiponのEF-Zアダプター。電子回路が入っているので、AFや絞りも連動できるようにするのでしょうね。Nikon F-EOS RFアダプターも見てみたい気がします。

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こちらはTECHARTから発売予定のNikon Zマウント機に、ソニーEマウントレンズを互換性を確保してつけようという、ほとんどアクロバットみたいなアダプターです。Zマウントのフランジバックは16mm、ソニーEマウントは18mmなので、その差2mmの間に双方の接点と電子回路まで内蔵しなければならないということで大変です。でも、写真のとおりちゃんと機能できているようでした。

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裏側を見ると回路が見えていますが、よくもまあこのスペースに。ピンの裏側がボディに当たらないかちょっと心配ですが、とりあえずは問題ないようでした。

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回路は思ったほど複雑でもなさそうですがやはりそれなりに。ピンは意外によくできていてちゃんとバネ式になっているようでした。

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全体に難しい説明はできるだけ省く方向で、ユーザーの利便性重視というコンセプトのメーカーが多く、情報収集が目的の筆者としてはそういう点でちょっと物足りなかったのが正直なところ。ユーザーを重視するのはいいと思いますが、もう少し技術的な説明も充実させて欲しかったと思います。また、昨年は出展していたけど、今回はなかったメーカーもちらほらあって、一抹の寂しさがあったりもしました。来年のオリンピックにかけてこれから色々と動きがありそうで楽しみな1年でもありますね。

CP+2018で気になったもの。

恒例のCP+メモ。2018年はそれほど目立った製品はなかったが、細かいものはいろいろと発見することができた。

CP+に出展している企業は毎年大体同じだが、珍しく日本の光学メーカーが新規出展していたので紹介しておこう。木下光学研究所。あまり聞いたことがないメーカーだが、創業者はかの富岡光学出身の光学設計者で、Tominon 55mm F1.2をの設計担当だった人物だという。会社として普段は産業用の光学製品を作っているらしい。でも、撮影用のレンズを作る技術があるので今回3本のMFレンズをリリースしたのを機に出展したという。

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レンズは「KISTAR」ブランドの85mm F1.4、55mm F1.2、35mm F1.4の3本。定番中の定番レンズで、すべてYASHICA/CONTAXマウントだ。このうち55mm F1.2は富岡光学の名玉Tominon 55mm F1.2を現代の硝材で復刻したもの。外観はかつて富岡光学がOEM供給していたコンタックスのプラナー風に。そう言われれば、35mmはディスタゴン風、85mmはプラナー風ですね。レンズ構成を見ても大体似ている。Y/Cマウントといっても連動ピンなどはなく、マウントアダプター専用ということで、EOSなどのボディが傷つくことはない。そのかわりY/Cマウントのボディにつけても実絞り撮影となる。

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トミノンもいいのだが筆者が気になったのは85mmの方。典型的ガウス型の構成で、絞り開放は甘く、F5.6まで絞ると超シャープになる、懐かしい特性のレンズだ。最近の85mmは絞り開放からシャープなのはいいけれど、いつもシャープだと飽きも来る。まあ、絞り開放が甘いのが嫌だと言っていた舌先が乾かぬうちに、今度は甘いのがいいという。全くわがままなカメラおやじです。

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 このレンズたち、価格は85mmの133,400円、55mm F1.2が134,100円、35mmの169,100円と、現代のMF大口径レンズとしてはいいところをついた価格になっています。オリジナルのTominon 55mmが中古市場でプレミア価格で取引されていることを考えれば、新品でこのお値段は結構お買い得かもしれません。

 

続いて、犬も歩けばSONYに当たる?広大なSONYさんのブースで噂の400mm F2.8のプロトタイプを発見。

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「G」のデッカいマークが目立ちます。

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シリアル番号がついているということは実写可能機か?

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見た感じはC社のレンズにも似ていますね。白鏡筒を採用した時点で似て来るのはしょうがないですね。プロトタイプなのでスイッチのところがのっぺらぼうになっていました。僕が使う場面はめったにないと思うけど、ラインナップにはあっていてほしいレンズですね。

 

ソニーさんのブースで目立っていたのは、米国の映像関連から送られたルミエール賞とエミー賞のトロフィー。

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どちらも金色に輝く天使様がモチーフなのだけど、どことなく尊い感じがにじみ出ていますね。欧米はこういうものを作らせるとうまいなー。映像業界というと映画などのソフトウエアの芸術賞は多いけれどそれを支える機材にまで賞があるのはいかにもアメリカらしい。

 

タムロンさんのブースではソニーEマウント用の交換レンズ28-75mm F2.8と一眼レフ用の70-210mm F4が展示されていた。

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28-75mmは確かソニーからも同じスペックのレンズが出ていたような。24-70mmよりちょっとだけ望遠側にシフトしたタムロン伝統の焦点域。一眼レフ用の現行モデルは普及価格帯なので、このモデルもリーズナブルだと嬉しい。

 70-210mmはちょっと昔に流行った焦点域で懐かしいですね。でもちょうど3倍のズーム比にするならこちらが正統派とも言える。70-200mmF2.8モデルとはっきり区別ができていい。画質面も期待が高まります。

 

マンフロットのブースで気になったのはマグネット式で着脱するフィルター。実は4年ほど前に同じアイデアの製品の製品化を検討したことがありました。その時はマグネットがレンズのAF機構に及ぼす影響を保証できないという理由から製品化を見送っていたのですが、この製品は大丈夫なのでしょうか?説明員の方は磁力はそれほど強くないので大丈夫と言っていましたが・・・・。

 構造は、マグネットを仕込んだベースフレームをまずレンズに取り付け、マグネットにつく金属でできたリングにフィルターを取り付ける。ベースフレームとリングはワンタッチで着脱できるので結果フィルターもワンタッチで着脱できるというもの。当然、レンズの前のフィルター枠は3枚重ねたくらいの厚さになるので、広角レンズではケラレが発生する場合がある。

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あとは、昨年話題になった窒素ガスの力でバランスをとるナイトロテックN8フルードビデオ雲台が気になった。下のT字型の金属部分を窒素ガスの圧力で押し上げてバランスをとる仕組みだという。

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説明員さんに実演してもらったが、パン棒のようなレバーを回してガス圧を調整するようだ。結構な回数回していたので、腕がパンパン?セッティングには時間がかかるのかもしれない。もう少し大型のものも出ると言っていた。

 

うーこれは何だ?映画マトリックスに出て来る敵の偵察・攻撃ロボ・センティネルを思い出しますねー。魚眼レンズがいっぱいついているので360度撮影するVRカメラということになります。

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え、もう8Kなんですか〜。と思ったら静止画8K、動画は4Kだそうな。今は動画で360度同時撮影の時代だそうで、QTVRでスティッチしていた時代が懐かしい。

 

おっと、シグマのブースでばったり。桑山さんだ。

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今回の一押しは、巨大な105mm F1.4だそうです。ニコンのやつよりずいぶん大きく、135mmくらいに見える。超望遠並みの三脚座とフードに注目。もうこれは普通の105mmじゃないですね。

センサークリーニングサービスはクリーンルームを持ち込んでやっていた。頼むのは簡単だけどやる方は大変だなー。

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さて、東芝さんはいつものSDカードのブースを拡張してアピールしてました。筆者が気になったのはメモリーの基盤となる300mmウエハー。

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これだけ見ると一般的な半導体と変わりないけれど実際の構造は、

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高層ビルみたいですが、こんな風に64層もの積層構造でできているのだとか。すごいですねー。

 

次に見たのはケンコーさんのブース。ソフトフィルターなのだけれど、最近はポートレートでなく星野写真で使われるそう。

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確かにファンタジックになりますね。科学の目とはちょっと視点が違うところにあります。で、新製品はソフト効果がハーフになったもの。多分、フィールド部分はソフトなしで、星空だけソフトにするということなんでしょうね。なかなかマニアックな商品です。

 

ケンコーさんは他にもいっぱい展示があります。まずは韓国のレンズメーカー・サムヤン。

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ソニーEマウントの35mm F1.4と50mm F1.4ですが、AF化してきています。これまではMFレンズ中心でしたがいよいよ本格的にAFレンズに乗り出すようです。一眼レフ用AFレンズも14mmが出品されていました。

 

お隣にはトキナーが!こちらも負けじと大口径路線ということで

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ソニー用の20mm F2も結構大きいですが、一眼レフ用の50mm F1.4は巨大でOtusならぬ”opera”とネーミング。レンズの質感はいい感じなので、このラインで統一したらいいんではないかと思いました。

 

中国市場は玉石混淆と言われますが、中国メーカーも年々洗練されてきていて、このメーカー・Mindviewは玉のほうと思われます。ハーフNDフィルターなら普通ですが左上のものは境界線を中央から少しずらしたもの。境界線を自由に設定したければ角形フィルターを使えばいいわけですが角形フィルターはかさばるのも事実。自分の構図が空とフィールドをだいたいフィルターのような比率にすることが多いならこういうフィルターもありですね。

 右下はハーフND2枚を重ねて回転できるようにしたもの同じ方向で重ねると2倍の濃度のハーフNDに、正反対の位置にすると中央だけ明るく、上下が暗い効果。この他角度によって覆い焼きや焼き込みのような効果が得られるというわけです。

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このメーカー、主力商品はバリアブルNDフィルターで、各フィルター径が用意されていました。バリアブルNDフィルターは広角レンズ使用時など斜めの光で透過率が変わってしまうものがあるのですがこの製品は大丈夫とのこと。その代わりお値段は77mm径で2万円前後と高価です。

 

MontKailashという中国の雲台・クイックシューブランドのブースで展示があった大判のピンホールカメラたち。大判用のピントグラスなどもあってちょっと懐かしい感じがしました。日本では大判をやる人は少なくなったけど、世界的にはまだまだ需要があるのでしょうね。

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こちらは台湾のフィルターメーカーSTCのブース。今年はレンズ交換式カメラのマウント後方に取り付けるフィルター群をイチオシにしていた。結構厚みのある構造でもミラーが上下する一眼レフでも取り付け可能とのことで取り付け方を聞いたら、ライブビューモードにしてミラーが上がってから取り付けるのだという。ライブビューを解除したり、ミラーダウンするモードで撮影した場合はエラーが出ると思うが、そういう条件付きで使うものということだろう。

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このところ元気なストロボメーカー・ニッシンからは電波通信で同調するグリップタイプのストロボが出品されていた。グリップタイプのストロボを使用する場合、電波式のアダプターを使うユーザーも多く、それなら最初からシンクロコードはやめて電波で行こうということらしい。

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バッテリーは単三または専用のカートリッジ式充電池で、グリップ内に収納できる。ストロボの高さはサイドにあるレールで自由に上下可能。コマンダーはたぶん別売りでAir10sで制御可能。一応シンクロターミナル装備で、カメラとつなげばマニュアル調光で同調させることもできるようです。ガイドナンバーは80(200mm時)ですが35mm時は48なので、往年のPE-480SGと同程度と思われます。LEDによるモデリング、スレーブ機能付き。

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グリップの内側がレールになっていて自由に上下できるようになっている。

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専用のバッテリーカートリッジを装着したところ。単三用のカートリッジは見かけなかった。

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このストロボで取材に突撃!ってことでしょうか? あ、機関銃みたいに連射できるってことですね。はは。

CP+2018はこれといったものがなかったのですが、マニアックな製品はさらにマニアックになってきている気がします。多様化の時代を反映していますね。また、旧メーカーは守勢である一方、新興メーカーの勢いはやはりすごい。すでに日本の用品メーカーのほとんどは製造を辞めてしまって、輸入ビジネスに転換していますが、アイデア商品は作り続けて欲しいですね。

Kickstarter始めました。

クラウドファンディングの「Kickstarter」が日本でも利用可能になったということで、カメラ用水準器・PLV−001の支援者を募ることにしました。

https://www.kickstarter.com/projects/719361554/precision-level-plv-001-for-dslr-cam

これまでは国内の販売のみだったのですが、海外ユーザーからどれくらいオファーがあるかということで少ない数ですが2週間募集してみることにしました。

新たに生産する分は、開けておいた0001から0025までのシリアル番号を使用し提供する形にしています。価格も普段の価格よりは割安になっています。「Kickstarter」に登録していただければ日本からでもプレッジ(支援)することができます。お礼としてご希望のシリアル番号のPLV-001をお送りします。シリアル番号は、人気の番号ほど高額になるようにしています。なんでもない番号がお得です。

動画も作ってみました。

https://www.youtube.com/watch?v=1SaB5zf3UO0

キックスターターは販売サイトではないので、今回は海外版の製作費用の捻出が目的となります。ですので、成功した場合はプレッジ(支援)していただいた方にリワード(お礼)としてPLV-001を1個お送りいたします。5名様ほどのご賛同いただければ成功になる予定です。成功しなければ、出資金は引き落としされません。成功した場合はクレジットカードから出資金が引き落とされる予定です。海外版なのでマニュアルは英語版になります。日本語版をご希望の場合はご相談ください。それ以外は、以前から販売していたものとほぼ同様です。今回の募集でPLV-001の生産は一旦終了する予定ですので、お早めに。それではよろしくお願いいたします。

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写真家・杉本利彦からのお知らせ、日常のメモなどを書きます。

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